想定読者層(ターゲット)
- 環境教育や地域活動に関心のある方
- 子どもたちに自然の大切さを伝えたい方
- LNTインストラクター資格を取ってみたい方
先日、青梅市、あきる野市、奥多摩町在住・在勤者を対象に第一回目となる「リーブノートレース(LNT)」ワークショップが開催されました。ここでは、参加者個人の体験談をご紹介します。
ワークショップの詳細はこちらから
午前:LNTの基本理念について学ぶ
はじめまして!
多摩地域在勤者として、LNTのワークショップに参加した「なおさん」です。講座は、自己紹介と「西多摩の好きな場所」を話すところからスタート。この講座には、年齢や業種といった肩書きを脇に置き、フラットな関係を築くために「あだ名で呼び合う」という素敵な仕掛けがあります。
インストラクターは、LNT常任理事の柴田大吾さん(みたけレースラフティングクラブ代表)と、LNTインストラクターの太田旭さん(ぼちぼちアドベンチャーすその白丸ベース代表)。リバーアクティビティのプロであるお二人の実体験を交えたお話はとても興味深く、あっという間に時間が過ぎていきました。グループワークでは、西多摩の自然を次世代に繋いでいくために必要なことなどを話し合いました。

午後:自然の中でフィールドワーク
午後は御岳渓谷のイベントスペースA-flowに移動し、実際の自然環境の中で行動の工夫や配慮を体験するフィールドワークです。
ここでは、LNTの7つの原則から一つを選び、グループごとに20分間の模擬授業(ティーチング)を行いました。聞き手は、他の参加者の方々とインストラクターのお二人です。
私のグループが担当したのは「最小限の焚火の影響」です。キャンプやBBQでの焚火が好きなので選んだものの、実際に「教える」となると非常に難しく、深く考えさせられました。
もちろん、焚き火を行う際には、土地管理者への事前確認、周囲への引火リスクの排除、風の強い時は行わない、消火の準備など基本的な安全管理は大前提です。その上で、「焚き火は危険だから全面禁止すべき」という意見があり、「楽しみたい」という気持ちもあります。とはいえ自分たちの楽しみを優先していいのか? 地域の方への配慮は?……と考え出すと、「良いか悪いか」「やるかやらないか」の二択を迫られているようで、思考がモヤモヤしてしまいました。

「スペクトラム(グラデーション)」で考えるということ
そんな時、インストラクターの大吾さんが教えてくれたのは、「スペクトラム」で思考すること。
「スペクトラム(spectrum)とは、「連続体」や「範囲」と訳される言葉です。物事を「正解か間違いか」と両極端で捉えるのではなく、その間にある「グラデーション(濃淡)」として捉えます。予測不能な自然の中では、「100点(完璧)か0点(最悪)か」という極端なルールだけでは、解決できないことも多いからです。
焚火を「スペクトラム」で考えることは、「安全性」と「体験価値」の間にある適切なバランスを考えることです。LNT原則では、ストーブ使用が基本とされていますが、焚き火台の使用や地面へのダメージを最小限に抑える工夫など、状況に応じて選択肢を組み合わせていきます。
自然と向き合うとは、たった一つの正解を選ぶことではなく、そのグラデーションの中で「自分たちの立ち位置」を探り続けることなのだ、という大きな発見がありました。
この講座を通して私が持ち帰ったのは、自然の知識以上に大切な「問い」への向き合い方でした。
- 正解のない状況でどう判断するか
- 異なる考えをもつ人と、どう合意形成するか
- 配慮と主体性をどう両立させるか
自然をフィールドにしたワークショップは、日常から離れて、こうした問いに向き合うための「気づき」や「学び」の場になります。自然の中で暮らし、地域の未来を次世代に残すためにできること。その関係性を考える学びは、日々のあり方を見つめ直すきっかけにもなるはずです。
環境教育や地域活動に関心のある方、子どもたちに自然の大切さを伝えたい方は、ぜひ一度ご参加ください。次回の開催は、2026年6月13日(土)会場は御岳交流センター・御岳渓谷です。
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※LNTについては、Leave No Trace Japanの公式情報もあわせてご参照ください。