「自然を守るルール」ではなく、「関わり続けるための態度」
LNT(Leave No Trace)とは、自然環境へのインパクトを最小限にしながらアウトドアを楽しむための環境倫理の考え方です。アメリカで生まれ、現在は世界中で共有されており、日本ではNPO法人リーブノートレイスジャパンが普及と教育を担っています(本稿は公式サイトの内容を参考にしています)。
LNTは、「自然を守りなさい」というルール集ではありません。人が自然に関わる以上、影響をゼロにすることはできない現実を受け止めたうえで、「どんな行動が、どんな影響を与えるのかを知り、自分で選び直すための判断軸」を示しています。野生動物、植物、水、土地、文化、そして人との関係。LNTの7原則は、自然環境だけでなく、人間社会とのバランスも含めて考える視点を与えてくれます。
7つの原則を“判断の軸”として持つ
LNTは、すべての考え方と行動を7つの原則に基づいて整理しています。ただし、細かなルールを暗記する必要はありません。大切なのは、「自分の行動は、どこに影響しているのか」を考えるための軸を持つこと。たとえば、LNTが向き合うのは次のような影響です。
- 野生動物への影響
近づきすぎない、餌を与えないなど、動物の生態を乱さない行動 - 植物や自然環境への影響
踏み荒らしや破壊を防ぎ、自然が回復する余地を残すこと - 水資源への影響
川や湖を汚さないことは、すべての生命活動につながる - 文化的・歴史的遺産への影響
遺跡や史跡は「触れず、持ち帰らず、見るだけ」にとどめる - 地表への影響
焚き火や歩行による地面へのダメージを最小限にする工夫 - 人間社会への影響
過密や渋滞、騒音など、地域に負担をかけない配慮
企業研修や教育の現場でも、この考え方は有効です。正解を押し付けるのではなく、状況を理解し、自ら考え、行動を選ぶ。そのプロセスは、チームビルディングやリーダーシップ、持続可能な意思決定にも通じます。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、関わり続けるための「態度」を育てることです。このサイトでは、LNTの思想を踏まえながら、多摩地域でその考え方を実践し、川の「きれい」を継続的な行動へとつなげている方々の事例もご紹介していきます。
もっと深く知りたい方へ
LNTの7原則や具体的な実践方法、教育プログラムについては公式サイトで丁寧に紹介されています。
▶︎ Leave No Trace Japan 公式サイト
https://lntj.jp/