6月10日、あきる野市のフレア五日市でプログラム開発研究会を開催しました。地域事業者に加え、企業研修の担当者や教育関係者が参加。今秋に予定するモニターツアーに向け、青梅・あきる野・奥多摩の3エリアごとに具体的なプログラム開発を行いました。

基調講演 人材育成の現場で大切にしていること

東成エレクトロビーム株式会社 技術部 兼務 メカトロニクス事業部 部長 西原啓三氏が、同社の脱炭素経営と人材育成の取り組みを紹介。売上・稼働日数・社員数などの数字を会場に示しながら、「全社員が1日研修に参加するというのは、経営として決して軽い判断ではない。だからこそ、この数値をお伝えしたい」と語りました。

脱炭素への取り組みが着実なコスト削減と採用力の向上につながってきたプロセスを共有しながら、「サステナブルな取り組みは本当に企業価値を高め、コスト削減にも、リクルートにもつながる」と述べました。変化はトップダウンでなくても起こせること、「ナンバーツーが人を信じ、可能性を信じて動き続けること」が組織を変えていく原動力にもなるという言葉は、参加者それぞれの現場に重なるものがありました。

東成エレクトロビーム株式会社 西原氏

パネルディスカッション サステナビリティ経営時代の企業研修

多摩大学 経営情報学部 松本祐一教授のファシリテーションのもと、東成エレクトロビーム株式会社 西原氏、パーソルテンプスタッフ株式会社 地域共創企画室 多摩地域 地域共創デザイナー 関友道氏、株式会社文伸 執行役員 イノベーション事業部 部長 有馬靖了氏によるパネルディスカッションを開催しました。

有馬氏は、印刷会社としてグリーンプリンティング認証を取得してきた20年を振り返りました。まずはゴミの分別から始め、各部署から1名ずつ巻き込みながらボトムアップで進めてきた道のり。6S(整理・整頓・清掃・清潔・躾・安全)に「スマイル(笑顔)」を加えた独自の「7S」を導入したエピソードは会場の笑いを誘いながら、現場発の小さな工夫が文化を変えていくことの大切さを伝えました。

関氏は、自身が長野県で体験した越境学習を振り返りながら「楽しいだけの研修は印象に残らない。葛藤や迷いを含んだ実践的な体験こそが、今でも忘れられない学びになる」と語りました。そして、西多摩のプログラムを開発するにあたっては「長野でも群馬でも同じことをやっているため、ここ(西多摩)でやる意味が問われる」と、地域固有の価値を打ち出すことの重要性を指摘しました。

3者の議論を受け、松本教授は「人の心が揺さぶられる体験の中にこそ、変化のエネルギーが宿る。その体験をどうデザインするかが、プログラム開発の核心になる」と総括しました。自然体験にとどまらない「変化のデザイン」という視点が、全体を貫く共通言語になっていきました。

(左から右)多摩大学 松本氏、株式会社文伸 有馬氏、パーソルテンプスタッフ株式会社 関氏、東成エレクトロビーム西原氏

ワークショップ エリア別プログラム開発

後半は青梅・あきる野・奥多摩の3エリアに分かれ、各地域のアウトドア・飲食・宿泊などの事業者やガイドに加え、企業研修の担当者や教育関係者がアドバイザーとして加わり、具体的なプログラムを検討しました。

「葛藤」「内省」「地域固有の価値」「越境学習」といったキーワードを手がかりに、それぞれの地域資源を活かした体験プログラムの骨格が少しずつ形になりました。

各グループの発表の様子

秋のモニターツアーに向けて

今回の研究会を経て、プロジェクトは秋のモニターツアーへ向けた具体的な準備へと進んでいきます。研修収益の一部をLNTインストラクターの養成と地域の環境教育に還元する「循環型」の仕組みを、地域と企業が共につくり手として担っていくための対話と議論が着実に積み重なりました。秋の西多摩がどんな学びの場になるか、これからの展開をどうぞご期待ください。

共につくるサステナブルツーリズム

本事業では、西多摩の観光・アウトドア・一次産業・飲食・宿泊など、さまざまな分野の事業者の皆さまと共に、企業向け研修プログラムの構築を進めていきます。

学ぶ人が増えるほど、地域が育つ。
関わる企業が増えるほど、自然とまちが守られる。東京・西多摩から始まる新しいサステナブルツーリズムに、ぜひご参加ください。